2005年12月08日

Mr.Macintoshの生みの親、J.M.Folon氏の死を悼む

昨晩ウェブ上で偶然、衝撃的な記事に遭遇した。

「ベルギー出身の画家、版画家、彫刻家であるジャン・ミッシェル・フォロン氏が白血病のためモナコの病院で死去された。享年71歳であった。」(05/10/20)
 
 大きなショックだった。音楽以外でもっとも大好きなアーティストの一人だったFolon氏が亡くなられたなんて。。。
95年に彼の展覧会を観て以来、大ファンになり海外のオークションなどを通して彼のポスター、リトグラフ、画集などをコツコツと集めている。彼の作品には強烈な風刺が込められたり、暗くシュールでとんがったデザインのものもあるのだが、私は何とも言えない優しい色合いの作風が好きだった。
彼の作品に度々登場する鳥、手、山高帽とマントをかぶった静かな男が好きだった。
彼の描くオレンジ系のグラデーションや虹が好きだった。
彼の作品を鑑賞していていると、とても穏やかで優しい気持ちになれた。でも同時に、それとは矛盾するような孤独感を感じる事も多かった。

folon.jpg

 彼の人生の晩期となってしまった2000年には自らフォロン財団を設立。2004年2月にリニューアルオープン。子供たちの芸術教育の一端を担う活動や、身障者など社会福祉への貢献にも参加、2003年には、ベルギーのユニセフ国内大使に任命されたりと、その活動は幅広く評価されていたそうだ。

 Apple&Macを愛する人間としては、氏がMacのごく初期の頃のロゴやイラストをデザインしていた事を知ったときは大変驚いたものだ。以前のエントリーにも書いたが、1980年代初期、Steve JobsはMr.Macintoshというものを全てのMacに潜ませるアイデアを実現させるため、そのデザインをFolonに委託した - 残念ながらその計画は中途で中止となったが。
氏がデザインしたMr.Macintoshはまさにあの山高帽とマントの男だった。

logic.jpeg mmrMac.jpg

 氏の展覧会で購入した図録に、以下のような氏の言葉が掲載されている。
「現代美術には閉じた絵が多いですが、嫌ですね。『入っておいで、気兼ねせずに』と語りかけてくるような、そんな開いた絵というのが私は好きですね。」

 この言葉に共通した精神、言い換えれば「万人をフレンドリーに、肩の力を抜かせて自社プロダクツに誘う」というポリシーがAppleプロダクツの根底には流れていると思う。だからこそMac創世記のJobsは氏にMr.Macintoshをデザインさせたのではないだろうか。

 ベルギーのブリュッセルより20分のソルベイ公園の中に立つ美しい城の敷地内にある農場跡を改装したというFolonのミュージアムに、いつの日か行ってみたい。彫刻作品として存在する山高帽とマントの男に対峙したい。そして可能であれば氏本人に会ってみたい、話してみたい。。。その夢の一部はもう実現不可能になってしまったけれど。。。

 遅ればせながら、Folon氏のご冥福を心からお祈りします。

FOLONmuse.jpg
posted by pura3 at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | Mac | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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