プレゼン上でマウスカーソルを表示することは本当に必要なのだろうか。小生はスライド内容で強調したい部分は以前のエントリーで記したような方法をとっている。強調項目はあらかじめ目立たせる細工を仕込んでおくので、発表中にリアルタイムでの書き込む必要が無いのだ。もちろんこの手法はプレゼン準備に相当時間をかける必要があり、発表ギリギリまで推敲に推敲を重ねることになる。そうなるとあっという間に数時間が経過することもザラだ。

Keynote 3の環境設定で「スライドショー」を開いてみるとポインタ表示については「マウスの移動時にポインタを表示」か「ハイパーリンクまたはムービーがあるスライドだけでポインタ表示」を選択できる。デフォルトでは後者に設定してある。Appleは基本的に「ポインタ非表示」を勧めているのではないかと思う。そもそもJobs氏のプレゼン用アプリとして開発された(ということになっている)Keynoteだが、Jobs氏のプレゼンでポインタ表示をしたことは無いと思うし、リアルタイムでの書き込みも見た記憶が無い。ここから後は想像なのだが、氏の完成したプレゼン過程では発表途中の思いつきを書き込むことは必要ないだろうし、フォントやオブジェクト、画像やムービーのクオリティを重視する氏に取ってみればポインタを表示することは美的感覚が許さないのではないだろうか。いわんやPowerpointによるプレゼンでしばしば見られるマウスを使ったフリーハンドでの書き込みなんて自身のプレゼン内容を汚すようなもので、氏にとっては全く必要が無いのではないかと推測する。
誤解していただきたくないのだが、小生は自分のプレゼンを聴き手への一方通行にしたいとは思っているわけではない。かつて35ミリのブルースライドを作ってプレゼンをしていた時は、プレゼン終了後の聴き手とのディスカッション用にOHPを準備していた。透明シートに原稿を表示してカラーペンで書き込みながら討議したものだ。PowerPointに用意されている書き込みモードはOHPでやっていたことを実現しているのだろうし、そのような機能に需要があるとは思う。しかしKeynoteの根底に流れるプレゼン手法にはそのような機能は含まれていないのだろう。(来年のKeynote 4で実装されたら大笑いではあるが。。。)せっかくパソコン上で美しく表示された内容の上に、サインペンで手書きするより格段に下手なフリーハンド書き込みをするのはどうかと思ってしまう。
実は先日、プレゼン後のディスカッションにKeynoteを活用したのだがKeynoteのプレゼン画像上に書き込むのではなく、Exposeで書き込み専用のウィンドウとKeynoteの表示ウィンドウを行き来しながら行った。自分としてはこちらの方がよっぽどスタイリッシュだと思えたし、聴き手も違和感なく討議に参加していた印象だった。
さらに付け加えると、Powerpointのプレゼンで既に表示済みの画面にバックする時に画面左下のラジオボタンからスライドタイトル一覧を表示し、ポインタで指定して飛ぶ場面があるが、keynoteで同様のことを行う場合、過程が全く異なる。

スライドショーの再生中にスライド番号を入力 → スライドスイッチャーが表示 → +キー/‐キーを押して、お望みのスライドに進退してreturnキーで決定。
いかにもPC的なウィンドウやカラム表示を一切行わずに(スライドの美的センスを低下させることなく)スタイリッシュにスライドをスイッチさせることができるのも、Appleらしい小技の効いたこだわりのインターフェースだと思う。
どうだろう。KeynoteとPowerpointは、プレゼンソフトとして根底に流れている精神が全く異なっていないだろうか?






